こんにちは。ぶらす室長 (@goodembryobaby)です。
不妊治療を始めようとする際に、体外受精治療費の相場について調べると思います。
最近の厚生労働省の実態調査で、1回の体外受精+胚移植一式にかかった費用で最も多い治療費は「40万〜50万円」と報告されました。
※引用 厚生労働省:子ども・子育て支援推進調査研究事業「不妊治療の実態に関する調査研究」(概要版)
しかしながら、フォロワーの皆様から「実際に支払った費用はもっと全然多い」という声を多数頂きました。
そこで、Twitterを用いて「体外受精治療に実際に支払った費用」について体外受精治療経験のあるフォロワーの皆様にアンケートにご協力頂きました。
アンケートの方法
今回は、厚労省が行った実態調査の中の「体外受精に係る費用」という項目と近い内容となるように下記のような内容で質問を作成しました。
余裕があれば、自然・低刺激か高刺激をコメントに書いて下さいね。
選択肢は下記の4項目に設定しました。
(Twitterアンケートの機能が4項目までしか作れないので)
2、60万〜70万円
3、70万〜80万円
4、80万円以上
体外受精に支払った治療費は80万円以上が最も多い
なんと、1000人を超える方がアンケートにご回答してくださいました!
(ご協力頂いた皆さまありがとうございました😭)
アンケートの結果、1回の卵巣刺激〜体外受精+胚移植(凍結融解を含む)一式にかかった費用は「80万円以上」が最も多く、300人以上の方が1回胚移植するまでに80万円以上を支払っていたことがわかりました。
また、厚生労働省の実態調査で最も多いとされていた「40~50万円」の治療費で、胚移植まで実施できた方は、25.6%と全体の3割にも満たず、7割以上の方がそれ以上の費用を支払っているという現状がわかりました。
このアンケートは、細かい治療方法や地域などの詳細について回答することができない仕組みでしたので、頂いたコメントからわかる範囲で下記にまとめました。
低刺激・中刺激法と高刺激法の治療費の違い
最も費用に直結すると考えられるのが、卵巣刺激法の違いです。
低刺激法では、使用する薬剤量が少なく、採卵個数も少ないので1回の採卵あたりに係る費用も少額になります。
一方、高刺激法では、誘発に必要な薬剤量が多く、採卵個数も多いため、1回の採卵あたりに係る費用が高額になります。
しかしながら、この費用設定についてはクリニック側が自由に決められるため、クリニックによって大きくバラつきがあります。
以下に、コメントで頂いた詳細な治療歴から、低刺激と高刺激別に治療費をまとめました。
※中刺激は「低刺激」に分類しています。また、成功報酬分は除いています。
低刺激・中刺激 | 高刺激 |
|
---|---|---|
回答数 | 14 | 32 |
最小値 | 50万円 | 34万円 |
最大値 | 90万円 | 110万円 |
平均値 | 69.1万円 | 74.3万円 |
頂いたコメントでは、高刺激を実施した患者さんが多かったです。
低刺激の平均総額は69.1万円
高刺激の平均総額は74.3万円
高刺激を実施した患者さんの総額が高い傾向が見られました。
最小費用と最大費用を見ていただけるとわかる通り、支払った費用にかなりのバラつきがあります。特に、高刺激法では総額が34〜110万円と差が激しいです。
高刺激では、採卵個数や凍結できた個数によって大きく変動することは考えられますが、ここまでのバラつきは最初から「設定価格」が違うことが影響していると考えられます。
さらに、低刺激のクリニックでは「成功報酬あり」というクリニックが存在し、その成功報酬額は25〜44万円とのコメントがありました。
低刺激であっても、クリニックの設定価格や成功報酬額によっては高刺激の費用を超えるクリニックも存在することがわかりました。
また、低刺激法では採卵個数が少ないため、1回の採卵で妊娠に至らない可能性が高刺激法よりも高くなる傾向にあります。2度採卵を行ったと過程すると、どちらが費用対効果が高いかは微妙なところです。
都心部と郊外のクリニックの治療費の違い
その他に、費用に直結する要因として、クリニックの地域差が挙げられます。
都心部はテナント料が高額であり、また従業員の家賃や物価が高いため、費用が郊外よりも上乗せされている可能性が考えられます。
以下に、アンケートのコメントで頂いた詳細な治療歴から、都心部と郊外別に治療費をまとめました。
※神奈川などは都心に分類しています。
都心部 | 郊外 |
|
---|---|---|
回答数 | 36 | 10 |
最小値 | 50万円 | 34万円 |
最大値 | 110万円 | 86万円 |
平均値 | 78.4万円 | 49.8万円 |
頂いたコメントでは、都心部で治療を行った患者さんが多かったです。
都心部の平均総額は78.4万円
高刺激の平均総額は49.8万円
圧倒的に都心部の治療費が高いです。
そもそも都心部に不妊専門クリニックが密集しているので当然かもしれません。
一方で、郊外でも高額な治療費を請求しているクリニックも存在するので注意が必要かと思います。
twitterのコメント紹介
実際は、いろいろなオプションなどを行っていたり、数10個顕微受精を行って大量に凍結をした患者さんなども含まれているため、それぞれの治療背景よって妥当な価格かどうかは異なると考えられます。
以下にtwitterで頂いたコメントを一部抜粋してご紹介させていただきますので、ご参考になればと思います。
まとめ
先日、東京都特定不妊治療費助成事業指定医療機関の情報公開(2019年1月から12月分)が公開されました。こちらに、指定医療機関のクリニックの体外受精に係るおおよその費用が記載されていますので合わせてご参照ください。ただ、クリニックによっては実際に支払う費用と乖離がある可能性がありますのでご注意ください。
助成金では、賄え切れない金額ですね。
また、クリニック間のバラつきが大きく自由診療の悪いところが出ている気がします。
高額でも患者さんが満足しているのであれば良いと思います。
しかし、技術力がなく、さらに高額なクリニックだけは選ばないように気をつけなければいけないですね。
最後までご覧頂きありがとうございました。重ねて、アンケートやコメントにご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。
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