まず、PGT-AとNIPTは目的が違いますし、NIPTはやらなければいけない検査ではありません。
PGT-Aは染色体正常の可能性の高い胚をセレクションすることで流産を回避するために行います。
一方で、NIPTは妊娠した胎児に染色体異常(ダウン症などの出産の可能性がある染色体異常)がないかを調べ、異常があれば人工中絶するかを検討するために行います。
また、PGT-AもNIPT確定診断ではありません。
つまり、どちらも染色体異常がないという結果が出たとしても染色体異常を持つ子が産まれてくる可能性はあります(逆もあり得ます)。
そのため、もし異常の疑いがあった場合は侵襲性のある絨毛検査や羊膜検査を行う必要があります。
もちろん、PGT-Aで正常胚を移植すれば、染色体異常を持つ子が産まれてくる確率は低下しますが、確実ではありません。
勘違いして頂きたくないのは、私はPGT-AもNIPTも反対する気はありません。
ただ、場合によっては難しい選択を迫られる可能性がある検査だということは、認識してから行った方が良いと思います。
ちなみに、染色体異常をもつ胚盤胞でも綺麗な形態良好胚に発育するため、形態評価は、染色体正常性を担保するものではありません。
コメント